明治/太田良治郎
この作品は、わずか高さ15cm、胴径6cmほどの中に花や鳥の文様がたいへん細かく描かれており、これを作った職人の技術の高さに驚かされます。さらに注目すべきところは、この花瓶の形が単純な円筒形ではなく、かぼちゃのような凹凸があることです。このような形を上から見ると木瓜(もっこう)紋(もん)に似ていることから木瓜型(もっこうがた)といわれますが、この複雑な曲面の作品を作るためには植線という模様付けの工程だけでなく、素地づくり、釉薬差し、研磨と七宝づくりに関わるほとんどの工程に関わる職人の高い技術が必要とされます。
■ここがみどころ