赤透花台

明治

赤透花台

この作品は全面に赤透釉が使用されています。この釉薬を使用した作品は外国人の間で人気を博し、鳩の血という意味のピジョンブラッドという別名を持つようになりました。大正末期に作られたこの作品もまた、輸出用に作られた品だったのかもしれません。
七宝焼の釉薬は基本となる硝石・硅石・鉛丹といった主原料に顔料となる金属を加えて作り、その顔料の種類と量によって色が変化します。赤透釉は金を混ぜることによってルビーのような赤色を出しています。

■ここがみどころ

赤透は透明釉なので、銅素地の表面が透けて見えます。そのため、表面に模様を入れ素地の合わせ目が目立たないようにしたり、彫刻を入れて図柄を浮き出すようにしたりしたものもあります。
この作品にも竹が彫刻してあります。