明治

この皿は、名品が並ぶ展示室の中で「間取り花鳥文大花瓶」に次ぐ大きな作品です。
展示されている皿のほとんどが、直径30~45cm前後なのに対し、この皿は直径92cmもあり、七宝の皿としては最大級といえます。皿の中央につがいの孔雀、そのまわりに牡丹が鮮やかな色合いで表現されています。
この皿は、約100年前の明治後期の作品とみられ、図柄全体にわたって非常に細かく植線(しょくせん)され、また今ではこのような大きな作品を焼く窯もないため、大きさからも技術的にいっても現在では再現することは困難です。当時は海外へ輸出するために、このような大きな作品が作られました。
作者の銘はありませんが、同じ図柄の下絵が、七宝町の名工林小傳治(はやしこでんじ)家から見つかったことから、小傳治を中心として製作された作品ではないかといわれています。